この記事では、水分を挟み込むタイプの保湿成分をご紹介します。
このタイプの特徴は、水分を挟み込みしっかりと水分をキープする性質を持っています。
化粧水が与える水分をこのタイプの成分が肌でしっかり挟み込んでくれます。
セラミド
肌の角質細胞の間にある細胞間脂質の主成分の一つです。
細胞間脂質が細胞同士をくっつける働きをすることで、角層からの水分蒸発を防ぎます。
化粧品に使われるセラミドは大きく4タイプに分けられます。
セラミドのタイプ
1.天然セラミド
自然界に存在する天然成分で、馬などの動物の体の一部から抽出されます。人が持つセラミドに似た構造を持つため、肌へのなじみが良く保湿力が高い。
ただし、化粧品原料としては希少性が高く、高価。
2.植物性セラミド
米ぬか、ユズなどから抽出される人や動物の持つセラミドに近い成分です。
3.バイオセラミド(人型セラミド)
酵母などを利用して生成され、人の持つセラミドとほぼ同等の組成を持っています。
肌へのなじみが良く、浸透力や保湿力に優れている。
4.合成類似セラミド
石油原料から、セラミドに類似した物質を化学的に合成したもの。
石油原料から生成されているため、大量に合成可能で、安価に供給できる。
ただし、人型セラミドや天然セラミドに比べると効果は劣ってしまう。
セラミドの成分表示名
天然セラミド
- ビオセラミド
- セレブロシド
植物セラミド
- 米ヌカスフィンゴ糖脂質
- ユズ果実エキス
- ジヒドロキシリグノセロイルフィトスフィンゴシン
バイオセラミド(人型セラミド)
人の肌に存在するセラミドには12種類のタイプがあります。
- セラミド1(セラミドEOP)
水分保持の働きがあり、外部の刺激を防ぐ優れたバリア機能を持つ。
非常に高価。 - セラミド2(セラミドNG)
皮膚の保湿力が強く、バリア機能を高めます。肌に最も多く含まれる。 - セラミド3(セラミドNP)
水分を保持し、シワを抑制・減少させる。 - セラミド4(セラミドEOH)
角質の脂質バリア層をつくり、保持します。 - セラミド5(セラミドAG)
角質の脂質バリア層をつくり、保持します。 - セラミド6Ⅱ(セラミドAP)
水分を保持し、シワを抑制・減少させる。正常な肌のターンオーバーを促す。 - セラミド7(セラミドAH)
- セラミド8(セラミドNH)
- セラミド9(セラミドEOS)
- セラミド10(セラミドNDS)
- セラミドADS
- セラミドEODS
合成類似セラミド
- ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド
- セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド
レシチン

レシチンは動植物の生体膜を構成する成分。
大豆や卵黄から抽出されます。
一つの分子内で親水性の部分と親油性の部分を持ち、肌への密着性や肌への浸透性を高め、肌を若々しく保つ効果があります。
保湿効果が高く、肌の状態を正常に整える効果もあります。
天然成分のレシチンは、そのままでは劣化しやすいため水素添加という処理がなされ安定性を高めた状態で化粧品に使われます。
水素添加されたレシチンを「水添レシチン」と呼ばれます。
スフィンゴ脂質
セラミド以外の細胞間脂質で、保湿力はセラミドに劣る。
ステアリン酸コレステロール
セラミド以外の細胞間脂質。保湿力はセラミドに劣る。
まとめ
今回は、水分を挟み込む保湿成分をまとめてみましたが、ほとんどセラミドに紹介になってしまいました。
とはいえ、化粧品に配合されるものではセラミドが代表的な成分であるのは間違いありません。
セラミド配合の化粧品を見るときは、どのタイプのセラミドなのかも見てみると良いですよ。
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